
天空の花
「お入りなって。天空の花がとってもきれい。」
『きよらかなに!』
透き通るような群青色。
何もかも忘れさせるいただき。
きよらかに
すみきって
どこまでも高く聳える山々!
天をのぞみ。
天空へと一直線に伸びる神々のおわす山。
カオスが開けていらい
誰もこのいただきに近づけてはいない。
ねえ?
もう歩けないよ。
まだ行くの。
高くて怖い。
行くの、よそう!
それに寒いよ!
凍えてきそうだよ。
鳥さんも飛んでいないよ。
もう少しだからがんばって。
あとちょっとだよ。
12時をさすときみの時間だよ。
1億分の1秒をこの時計は刻んでいるよ!
あまりにも短いから
誰も妖精を見ることはできないんだよ。
この古時計といっしょに自分の時間を刻まない限り
星飼いはみな、この時計を守り伝えきたのさ。
あらゆる星が生まれて来て、消えて行く日まで
この時計は知っているよ。
針は、天空の神々で守られているんだよ。
針も、歯車もみんな一人ずつの天使でできているんだ。
間違いなくぼくの時間だ!
ぼくだけに見える。
ぼくだけに聴こえる!
ぼくだけが感じる?
素敵な世界。
ガ、ガ、ガラスの森は通さない。
へ!、ヘ!、おれたちゃ偉い城のもの。
誰もしらない俺たちさ。
へ!、ヘ!、おれたちゃ怖い城のもの。
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天空をわたる風はどこまでもさわやかです!
[“ぼく”くんはついうとうと寝てしまいました。]
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どこだ、どこだ!
スペードのキングが一枚!
隠れてる!
さがそう、さがそう。
お城のやつはどこ行った。
あいつは、いつも歩いてる。
“ぼく”くんの頬にポタポタ何か冷たいものが降ってきます。
このお城、どうやってはいるんでしょうか?
入口がありませんよ。
どうやって、あのあやしげな声の主はさがすのでしょう。
もう少し、あの声の主の話を聞いてみましょう。
耳を澄まして下さい。
『あれれ!どっちかな?』
お城めぐりはたのしいね。
とっても深い森です。
とっても静かな森です。
どこからともなく美しい音楽が流れてきました。
とってもさわやかないい気持ちです。
ほんとうにやさしい、いい気持ちです。
★ゆったりとのびやかにお過ごし下さい!
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